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「コロナハイ」から「コロナうつ」へ

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院長です。

コロナの影響で、全国の医療機関の収益率が下がっていて、赤字になっているというニュースがされています。病院だけではなく、とくに収益を外来診療に頼っている診療所では、特に厳しい状況です。(当院も同様です)

しばらく通院していない間に、いつも通っていた診療所が閉院になっていた、なんて事は、日本各地で起きるかもしれないくらい、今、厳しい状況であることを知っていただきたいと思います。

そして、連日、新型コロナウイルスの院内感染や施設内感染のニュースがされています。そもそも、どんな感染症でも、院内感染は、めったに起きるものではありませんから、それが、各地で起きていることを考えると、感染力はとてつもないですね。引き続き、当然ですが、これからの第3波以降も、皆さん、十分に用心してください。

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皆さんは、ハネムーン期って知っていますか?DV関連でよく使われる用語なので、知っている方もいらっしゃると思います。

コロナは一般災害とは違って、直ちに被災するわけではありませんが、世界中が自粛で社会や経済が停滞していること、ステイホームで自粛生活を強いられること、感染の恐怖などによって、じわりじわりと、精神的にも身体的にも不調に見舞われるわけです。

「感染予防のために、いろいろと整えて乗り切ろう!」と、積極的になって、奔走して、ものを揃えたり、準備したり、「みんなで助け合って自粛生活を乗り切ろう!」「譲り合おう!」と、自分のことを後回しにして、他人のために良いことをしようと躍起になったり(社会全体が連帯感で結ばれるときはそうですよね)・・・そういう時期は、やりがいを感じたり、周囲から称賛されたりして、元気でいられますが、これが「ハネムーン期」と言えるのでは、と思います。ハイテンションなので「コロナハイ」とも言えます。

感の良い方はお気づきかと思いますが、ハネムーンの後、ズドーンと気持ちが落ち込むことがあります。(幻滅期といいます)気をつけてください!気をつけると言いますか、目を覚ましてください!

収入が減って、経済的にも生活的にも余裕がないのは、自分自身だってそうですから、そういうときは、不安や憂うつな気持ちがあって当然なのに、ハネムーン気分になって、無理をしちゃっているわけです。ハネムーン気分で、無理をしている自分に気づかず、現実から目を背けているのです。(自分の心理的問題の否認)

自分自身にたいするケアも大切だということです。

「コロナになんて、負けてられないぞ!」とファイトな気持ちでいることも、とても大切ですが、自分の不調のサインに気づいたり、限界ラインを設定したり、自分をいたわることも忘れてはなりません。一種の達成感が得られるハネムーンは永遠に続くものではないことを知っておくべきです。

自粛生活後もひきこもって生活している、寝られない、アルコールの量が増えた、イライラしやすい、緊張しやすい、汗が出る、動悸がする、食欲が減った/増した、疲れやすい、思考力が低下してぼーっとしている、仕事の効率が下がった、身の回りのことが面倒になった・・・というサインは、コロナハイのあとの「コロナうつ」かも知れません。早めに、お近くのメンタルクリニックにご相談ください!

受診する決断ができない方へもご参考に。

ちょっと寝られるようになるだけでも、かなり助かることがあります。