コンテンツへスキップ

受診する決断ができない方へ

こころのセルフケアガイド

メンタルクリニックってまだまだ敷居が高いですよね。

弱っている自分に気づいていても、「まずは、自分でできることをやってみたい!」、「精神科に受診したくない」、と思っている方がいると思いますので、ここでは、こころのセルフケアのエッセンスをご紹介します。

自分が弱っているときは、ストレスに晒されているときだと思います。自分で明確にわかっている原因もあれば、よくわからないものまで様々です。ストレスに晒されていると、焦ったり、不安になりやすかったり、緊張したり、寝られなかったり、ゆううつな気分になるという変化をもたらします。

体にも症状が現れます。肩こり、頭痛、倦怠感などで、心身症と言うべきものです。

昔から「病は気から」と言いますが、人の心は、気の持ちようだけではありません。医学研究は進歩しており、脳内で起こっている変化について、解明されつつあります。オバマ前アメリカ大統領は、莫大な予算をつけて研究をすすめていたのは有名なことです。心の病は、性格や気合や努力が不十分ということではないのです。

ストレスに晒される → 脳の扁桃体の暴走 → 不安緊張のスイッチオン → ストレスホルモン上昇 → 海馬のダメージ → うつ状態

脳にある扁桃体は、とても動物的な部分で、人間でなくても、動物は恐怖を感じれば逃げたり吠えたりと瞬時に反応するものです。扁桃体の暴走をコントロールするのが、大脳新皮質というところで、ここは高等生物たる人間らしい部分ですが、特に前頭前野を鍛えることが有効と考えられています。

そこで、このつらい気持ちをなんとかするには、具体的にどうしたらいいのか、そのエッセンスを簡単にご説明します。詳しくは、自分で調べたりしてくださいね。

時間が解決する

悩む人は焦っているので、さらに不安になったりするものです。しばらく、棚上げするとか、放っておくとか、誰かに任せるとか、そういう視点で考えられませんか。「少し休む」でもいいでしょう。しかし、時間が全てを解決してくれる訳ではないので、さらに、以下のように、悩んで意味を見出すことのほうが、じつは大切なのです。

論理的に考える

論理的な思考は、前頭前野のはたらきを強め、扁桃体の暴走をおさえます。心のモヤモヤをそのままにしておくのは、良くないことです。例えば、文字に書いて、整理する、日記をつけて、振り返るのはどうですか。心で何度も同じことを悩むよりは、文字に書いておいて、読み返して悩むほうが心に負担は少ないはず。

フランクルという人は、悩むことも大切だと言っています。悩むのは人間だけができること。大切なのは、楽観的な理想や目標をもたないで、自分に今求められていることは何か、何ができるか、自分を待っている人や事がないか、考えてみることです。今に目的を見出すだけでも、頑張れるものです。

「今」を意識する

」だけを考えて、前頭前野は扁桃体をコントロールします。今とは何か。例えば、目をつぶって、自分が呼吸をしていることだけを意識してください。その間、先々の不安は考えないようにします。

谷川俊太郎の詩「生きる」は、「今」という時間軸を見事に現しています。小学校の教科書にも載っています。この詩を、絵本にしたものは、もっと「今」を深い広がりに仕上げています。

「瞑想」・「座禅」・「マインドフルネス」をネットで調べて見てくださいね。

運動する、森を歩く

からだを動かすと、不安や緊張といったネガティブな感情が軽くなります。脳内のベータエンドルフィンやセロトニンをアップさせて、扁桃体の暴走を抑えてくれます。週に1度でも有酸素運動がいいでしょう。森を歩くのは、セロトニンの他に、森林の匂いのフィトンチッドのような嗅覚からくるリラックス効果、葉のさわさわ動く音や川のせせらぎのような1/fゆらぎ、高い空や遠くをみて緊張を緩和して、日光をあびて、総合的に心を安らげる素晴らしい効果を発揮します。

日光をあびる

脳内のセロトニンをアップさせて、扁桃体の暴走を抑えてくれます。冬に寝過ぎたり甘いものばかり食べてゆううつになるのも、引きこもりの人がうつっぽいのも、日光を浴びる時間が短いせいです。カーテンを開けて、窓越しでも午前中の日光を浴びませんか。

呼吸を整える

焦ったり緊張すると、呼吸が浅くなります。浅くなって吸いすぎるものが、過呼吸です。呼吸を整えるために、意識的に思いっきり息を吸ってから、口をすぼめて、8秒かけてゆっくり息を吐きましょう。6秒間の息止めも有効です。副交感神経が刺激されて、瞬間的なリラックス効果は抜群です。

たべもの

セロトニンの合成に必要なトリプトファンを多く含む食べ物をとりましょう。カツオ・マグロ・ハマチ・牛肉や豚肉の赤身・乳製品・大豆・ナッツ類です。大豆プロテインも有効です。

セロトニンを増やすという意味では、精神科医がおすすめするのは、筋違いかもしれませんが、セントジョーンズワートというサプリも有効です。


これらは、セルフケア〜ストレス緩和にたいして、どれもこれも大事なエッセンスです。現在治療中の方でも、これらを意識したら、自己治癒力が高まると思います。

この文章は、ブログの記事を元に再編集しました。

他に参考となる情報(厚生労働省)

みんなのメンタルヘルス

こころもメンテしよう〜若者を支えるメンタルヘルスサイト〜

こころの耳:働く人のメンタルヘルスポータルサイト