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睡眠薬依存

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院長です。

冬の札幌のビッグイベント、雪まつりが、いよいよ始まります。
札幌の中心部で育った私の父親が、数年前、「雪まつりは、まだ札幌の祭りと思えない」と言っていたのを思い出しました。どういう意味かと思ったら、雪まつりが始まる前から札幌のことを知っている父親は、いまだ馴染めないということなんでしょうね。

6月のよさこいソーラン祭りも、私が大学生の頃に始まって、いまだ、札幌の祭りと思えません。あの雰囲気は、札幌の文化と馴染んでいるのか、といまだしっくりこないのは、私だけでしょうか・・・

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ところで、まじめな、薬の話を。

強い睡眠薬を大量に服用している方はいませんか。

例えば、ベンゾジアゼピン系の薬と言われるものを、大量に飲んでいることです。トリアゾラム0.25を3,4錠、ブロチゾラムを2,3錠、ゾルピデム10を3錠とか。アモバルビタールを大量に服用したり。上限量を超えているわけです。これを数年服用続けるとどうなるか。。。

知らず知らずのうちに薬物依存になっているわけです。

患者さんが問題意識を持っていて、「これは、減らさないとまずい!」とでも思ってくれていれば、一緒に減らしましょうという話になるものですが、たいていの患者さんは、ご自分が薬物依存になっていることには、気づいていません。

私のクリニックに移る前の先生が、そんな大量処方をしていた訳ですが、患者さんにとってみたら、元の主治医が「名医」なわけです。どうしてかというと、短時間または超短時間型の睡眠薬を大量に処方・服用したら、そりゃ、すぐに寝れるわけです。「この処方、ちょっと、まずいですね」と言う私が、「とんでもない医者」という不信感とレッテルが貼られてしまいます。

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冬の千秋庵本店

依存には、精神依存と身体依存がありますが、睡眠薬はどちらも起こります。

「くすりがないと不安で寝られない」というのは、精神依存ですが、それより、やっかいなのは身体依存の方です。長期で服用していると、当然、効きが悪くなるわけで、効き目が切れたところで、離脱症状(からだのびっくり症状)がおこりえるわけです。

たとえば、大量にアモバルビタールを服用している患者さんが、「すぐに、寝れますが、3,4時間で起きてしまうんです。起きたら、動悸がしていて、寝汗が、、不安で。。。そして、また(大量の)睡眠薬を飲むんです。すると、安らかに寝られます。だから大丈夫です!」と。

これ、患者さんは困っていないけど、睡眠薬依存かもしれませんよね。

離脱として、手が震える、イライラする、寝られない、などの他に、知覚異常が起こることも知られています。「音にびっくりする」「光が眩しい」「変な味がする」と言って、日中の活動が制限されている方。離人症状や抑うつが起こることも少なくありません。

実は、睡眠薬に限らず、抗不安薬も同じ、身体依存がおきます。大量かつ長期に服用することは危険です。

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なんとか、ひとりでも多くの患者さんに、問題意識を持ってもらって、減らしていきたいものです。減らしていくと、精神依存がきついので忍耐力を要しますが、いずれ、体が楽になるはずです!いままでの苦しみはなんだったのかと思うはずです。